フランソワ全集

今日はお昼から白内障手術が行われました。学会明けの今週は月曜から金曜までびっしりと手術が入っています。きょうは久しぶりにCDの話題を・・・。

音楽ソフトの投げ売りが止まりません。今回ご紹介するフランソワ全集は36枚組のセットですが、HMVで6681円、ということは一枚あたり200円弱という安さです。

もっとも、録音されたのがもっとも新しいものでも1970年くらいと古い録音ですが、音自体決して悪くありません。この時代のアナログ録音は、セッションごとにたくさんお金をかけており、とても優秀なのです。

もちろん、パテ(仏EMI)のオリジナルLPで聴くと、得も言われぬ音で再生される訳ですが、ピアノの場合、CDのほうが音割れが少なく、ゆらつきがないという利点があります。

演奏は言うまでもなく、録音もとてもすぐれたセットです。

フランソワといえば、ピアノ愛好家で知らぬ人はいないと思います。20世紀を代表する「個性派」ピアニスト。個性的という点では多分グールドと双璧ではないでしょうか。

ところで、このフランソワ以外でも、ピアニストの個人全集は多数出ております。ルービンシュタインホロヴィッツ、グールドの大御所を始めとして、シフラ、チッコリーニ、ナットなどなどいくつもあります。しかし、これからクラシックのピアノ音楽を聴こうとする若い人にお薦めするとすれば、このフランソワの全集が一番と思います。

クラシックのピアノ音楽の華というべきショパンの曲がほぼすべて入っている他、ラヴェルドビュッシーもほぼ全曲揃うのがその理由です。個人全集でこれほど隙のないレパートリーのものは他にありません。

今回の全集には、CD初出の音源も多数含まれております。また、複数回録音が行われた曲はすべてのテイクを聴くことができます。総じて、録音時期の古い若い頃の録音ほど優れています。没年46歳にしては、後期の録音は老成しすぎている感があります。モノラルで録音された音源はすべてが素晴らしいものです。

なかで一つをあげるとすれば、やはりショパンエチュード集でしょうか。

このセットは入手困難になる前に、早めに購入されることを強くお勧めしたいです。


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