コルトー

今年度のクリスマス会で、ピアノ演奏をすることになっています。職員の前で演奏するのは、開院15周年記念パーティーグリーグの叙情小曲集(抜粋)を弾いて以来のことで、ひさしぶりのことですので、ちょっと緊張しています。

今回は王道のショパンを披露せねばと取り組んでいるところです。やっぱり、ピアノ弾きにとってショパンはあこがれといいますか、レパートリーの中心にあるべき作曲家です。現代人の好みにも合いますし。

これが、ベートーベンやバッハとなりますと、「???」の声が聞こえてきそうです。

ということで、ショパンのバラードやスケルツォを中心に練習をしているところです。楽譜読みが最も大切なのは判っていますが、やっぱり参考になるのは既存の演奏家によるCDということで、ピアノ音楽は各種所蔵しています。

例えばスケルツォの2番の演奏はということで、過去の演奏家から、ルービンシュタインホロヴィッツ、フランソワ、ミケランジェリリヒテルポリーニなどのCDを取り出して聴いてみました。それぞれに納得の演奏でしたが、最も感銘を受けたのはコルトー(アルフレッド)がこの曲唯一の演奏として残してくれた、1950年代の日本録音でした、

コルトーは非ユダヤ人で、第二次世界大戦中は連合国(アメリカなど)の敵方について演奏活動を続けたのでした。ということは、我々の身方として活躍したことになります(枢軸国)。そういえば、戦前の野村胡堂(あらうぇびす)などの評論家から絶賛されていました。

ところが、戦後は、連合諸国から干されることになり、日本に演奏旅行に来た以外、録音スタジオや教育活動に活路を見いだしていただけのようです。しかも、戦後の録音の一部は、コルトーのミスタッチが多すぎるということで、お蔵入りになっていたとか。そんな貴重な録音が全集としてまとめられ、未だアマゾン等で入手可能ですので、是非購入されて聴いていただきたいと思います。

コルトーショパンのほぼ全作品の楽譜を校訂して出版しています。これらがまた、とても優れもので、小生のように独学でピアノを学んでいる者にとって、必要欠くべからざると言っていい程のものです。曲の解釈や指使いなど、ピアノ学習者にとってコルトー版は必携です。もちろん、実際の音面は、最近の研究によるエキエル原典版を採用することになりますが。

コルトー版の楽譜、コルトーの実際の演奏を参考にして取り組むショパン、さてどんなことになりますやら。

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