多焦点IOLの満足度

今日はお昼から白内障手術が行われました。20例中多焦点IOLが3例ありました。

多焦点IOLの敵は、言うまでもなく、屈折誤差と角膜乱視です。屈折誤差は遠視方向に0.5D以内、乱視は絶対値が1D以内に収まらないと、満足な裸眼視力は得られません。それがまた結構難しいことなのです。

術前から乱視が1.5D以上ある場合、LRIまたは強主径線切開(あるいはその両方)を行って、乱視の軽減を図ります。しかし、必ずしも1D以下に制御できるわけではありません。

屈折誤差を遠視方向に0.5D以内ということは、誤差の幅が0.5Dということで、IOLの度数が0.5Dきざみということなので、眼内では若干小さくなるとはいえ、ほぼドンピシャの度数を選ばなければならないということになります。これまたとても難しい課題です。

屈折度数、乱視度数とも術後経過のうちに微妙に変わります。術直後はよく見えていても、数ヶ月のうちに少し視力が落ちる、あるいはその逆、ということもありえます。

ということですので、多焦点IOL手術の術後は、LASIKによる屈折誤差の補正(タッチアップ)が大いに威力を発揮します。

難点は多焦点IOL手術本体のみならずタッチアップ手術(LASIK)も自費診療ということです。まあ、LASIKはメガネを買う代わりという風に考えていただければ、ご納得いただけることも多いのですが・・・。


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