年度末

今日で年度末を迎えました。入学、卒業、就職、転職など、悲喜こもごもの人生劇が繰り広げられています。

医師の国家試験も1昨日合格発表がありました。

昔は国試の発表が5月ごろで、4月に就職したとしても、不合格により入職取り消しということもあり、具合が悪かったものです。医師関係の転職はしたがって、7月を期に行われることもしばしばでした。

大学を3月に卒業、研修医としての勤務は7月からだったものです。4月からの3カ月は単なる見習い(無職無収入)というものでした。

いつ頃からか国試が前倒しになり、3月の終わりに発表されますので、晴れて4月から就職できます。

しかし、これも良しあしで、大学を卒業する前から国試の勉強に振り回され、卒業したと思う間もなく国試の発表、入職ですから息をつくひまもありませんね。

今は研修医制度も変わり、卒業後1年目からアルバイト禁止でみっちりとしごかれます。

昔は卒業したてで週2回のアルバイト診療や独り当直(アルバイト)があったのですから、今だったらちょっと考えられないくらいの冒険だったわけです。

中には、上記無職無収入で国試合格前の期間に、当直のバイトで稼いだ猛者もいたようです。

まあ、時代ものんびりしていたということでしょうか。それにお医者さんの数も少なかったです。医学部の卒業生は全国で4000名あまりと今の半分だったわけですから。

専門医制度もありませんから、大学を卒業し、医師免許をいただいたとたんに、一人前のような顔をして(看護婦さんに教わりながら)診察したものです。

あれから35年、還暦を迎える年になりました。大学の同級生はみなさん元気に働いているようです。先日、医学部の同級生の白内障手術を初めてさせていただきました。

これは名ピアニストのスビャトスラフ・リヒテルがDGGに録音した音源をセットにしたCD集です。リヒテルはこれらの録音が採られた頃が最も輝いていました。80年以降、楽譜をみながらトボトボ弾いていた姿からは想像できないくらいの、たくましくブリリアントな演奏です。


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