アルフレッド・コルトー

今日は白内障手術が行われました。全例、特に問題なく終了いたしました。

今日は、朝、HMVより届いたCDをご紹介します。CDの時代も終末を迎えつつあり、これと思った製品は即購入しておかなければならないとの切迫感があります。

今日のCDは、アルフレッド・コルトーの「日本録音集」、二枚組CDセットです。BMGファンハウス発売の国内盤です(BVCC-37439-40、写真右側)。一緒に写っているのは、すでに所蔵の6枚組輸入盤、「ショパン録音集成集」です(これとて実は、廃盤寸前です)。

コルトーは20世紀のピアノの巨匠としてつとに有名です。履歴等はウィキペディアをご参照ください。

私が幼少時親に最初に買ってもらった記念すべきレコードがコルトーによるショパン名曲集でした。これは、日本ビクターの出した最初のLPレコードでもありました。今でも院長室の棚に眠っています。

LPで持っていたのはこれだけで、ソナタの2番(葬送行進曲)他数曲のみでしたが、コルトーが1952年に来日した折の録音は全21曲あり、そのすべてが先のCDに収録されています。

コルトーはもちろん、ショパン演奏の第一人者でした。録音も多いですが、ほとんどは1930年代のSP録音で、やはり録音の悪さが問題でした。1952年の日本録音は時代が新しいだけに、とても良い音が収録されています。まるで目の前で演奏してくれているようです!

コルトーユダヤ人ではなく、フランスがドイツに占領されていた頃のヴィシー政権下で活躍したことが仇となり、戦後、世界の音楽界から干されるという事態を招きました。戦前から契約していた英HMVでも、録音を断られるありさまだったと、上記CDの解説書に書かれています。

だからこその日本録音でもあったのです。1952年といえばコルトー75才。ピアニストとして老けこむ年齢ではありませんが、精神的ストレスも大きかったことでしょう。

日本録音集はミスタッチがとても多いです。だから聞き苦しいとの評価もあるかもしれません。しかし、ショパンの旋律がこれほど美しく歌われている例もそうそうありません。

英雄ポロネーズの最後のところのアルペジオをなんと!、オクターヴで演奏しています。必聴です。

カツァリスをご紹介したところでも書きましたが、ショパンの精神をよく伝えるのはやはりフランス楽派で、その代表がコルトーに他なりません。

コルトーショパンは演奏芸術の頂点として、代々語り継がれるに違いありません。


ST