マルツィのCDセット

春休みが終わって、5月の連休まで忙しい日が続きそうです。連休は日にち通りで、当院は大型連休にはなりませんが、5月1日、2日だけ開けても手術はできません。その分、今週や来週にしわ寄せが来ています。

今日は久しぶりにCDの話題を。CDの時代はほぼ終わりかけている、というか、クラシック音楽の新録音を楽しむという娯楽が、ほぼ終焉しつつあると思います。モーツァルトやベートーベンがいかに偉大な作曲家とはいえ、同じ曲をああでもない、こうでもないといろいろな演奏家が録音しても、次第に飽きられるのはやむを得ないことです。

LPの始まった1950年代から、良い音で録音されるようになり、オーケストラ(指揮者)、器楽奏者、声楽家などにより、膨大なレパートリーが作られました。それらはいわゆるメイジャー レーベルというところで保管されています。人気のある演奏家の録音をいわば「集大成」するといった、廉価版ボックスセットが作られ、一部の好事家の支持を集めているのです。

そんな中で、特にお薦めしたいセットが最近発売されました。LP黎明期の女流バイオリニスト、ヨハンナ マルツィが、1950年代に録音したLPのすべてを、当時の装丁、曲目組み合わせを再現しつつ、13枚のCDにまとめたアルバムです。

マルツィのオリジナルLPはとても人気が高く、一枚あたり何十万円もするものもあります。演奏、録音自体、その価値に見合うかと言えば、ちょっと疑問な点もありますが、気品あふれる清潔な演奏は、他には無い、独特の魅力を放っています。

このセットを発売したのは、韓国のディーラーです。映画やポップスのみならず、クラシック音楽においても、韓流の勢いを感じます。

試しに、今回初めてCD化されたDGG録音のドボルザークモーツァルトを聴くと、オリジナルLPに匹敵するような、クリアな音色が再現されていました。

オリジナルLPで揃えたならば、ウン百万になりそうなセットがなんと!、9000円くらいで手に入るのですから、よい時代になったものです。韓国発、2000セット限定ということですので、早いうちに手に入れられることをお薦めいたします。(HMVの通販で売ってます)

ちなみに小生は、CD11の分を除いた11枚分をLPで所蔵しています。ただし、HMV録音のうちブラームス以外は英オリジナルがあまりにも高価なため手が出ず、米エンジェル盤で持っています。CD9のサバリッシュとのメンデルスゾーン他は、LPでは出ていなかった録音です。

今回のCDにより、オリジナルLPが手に入らなかった録音も聴くことが出来ました。大感激です。


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