多焦点IOLの非適応

今日もお昼から白内障手術が行われます。

今日は外来で3名の患者さんが多焦点IOLを希望してこられました。当院では多焦点IOLを多数取り扱っているとはいえ、一日に3名の新患というのは珍しいことです。

ご自分で判断されてが1名、眼科の先生からご紹介いただいたのが2名でした。

そのうち実際に多焦点IOL移植手術を予定いたしましたのは一名だけで、他の2名の患者さんは「単焦点」IOLを予定いたしました。

一人の方はすでに片眼に単焦点IOLが入っており、もう片眼の白内障手術でした。IOL眼の度数は−1.5Dで、多焦点IOLでも十分にバランスが取れます。しかし、お仕事の内容から判断して、今回の手術では遠くに合わせて単焦点IOL移植を行い、モノビジョンに持ってくることにいたしました。

術後、モノビジョンに慣れることができないときは、近視眼をLASIKにて正視にします。

もう一方は高度近視の両眼の白内障でしたので、一見適応があります。しかし、よくお話を伺いますと、「自分はメガネをかけるのには抵抗がない」とおっしゃいます。コンタクトレンズの使用経験もないようでした。

「とにかく、白内障で視力が落ちているので、何んとかしてほしい」ということでした。これも、多焦点IOLの適応にはなりません。

多焦点IOLは先進医療で自費もかかるとなると、「高いからよいはず」と先入観を持たれがちです。要注意です。


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