網膜・硝子体手術の点数変更

先週の金曜日、この4月から実施されます新しい健康保険の点数が発表されました。患者さんでご存知の方は多くないかもしれませんが、医療行為にはひとつひとつ点数(×10が価格)がつけられており、診察や手術をお受けになり、お支払いいただく費用はその合計となります。

実際に窓口でお支払いいただくのは、そのうちの更に0〜3割となります。割合は保険の種別などで決まります。

よって、支払額は保険点数に比例することになります。

眼科関係で見ますと、この4月以降、白内障手術の点数は12100点と同じですので、3月の手術も4月の手術も同じ価格ということになります。

より正確に言えば、再診料や眼科検査料の一部が数%減っていますので、総お支払額はやや減る計算になります(ただし、新設される検査などもあり、ほぼ誤差の範囲です)。

ところが、白内障以外の手術について、大幅に値上がりしているものが多いです。これは、よく報道されておりますように、救急、産科、小児科などの激務の勤務医の救済策として、高度な技術の要求される処置や手術につきまして、点数を上げる方針があったからです。

当院に関係いたしますものとしては、網膜剥離手術の点数が21400点から32100点に10700点増額されました。これにより、たとえば3割負担の方ですと、約3万円の自己負担増(値上がり)ということになってしまいます。

それ以外でも、硝子体手術の最も複雑なものは、38600→51850点となっております。3割負担の手術代が115800円だったものが、155550円に値上がりします。(実際のお支払額は診察代や投薬が加わりますので、それよりもやや高い金額となります。)

ただ、毎月の最高自己負担額が決まっており、これらの手術を受けられた方は申請により還付金が出る可能性があります。詳しいことは、実際に手術を受けられる前に説明いたします。

窓口のご負担が増えるのは当院としましても心苦しい限りですが、健康保険に基づいたものですので、ご理解賜りますようお願いいたします。


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