巨大裂孔網膜剥離

今日は特殊手術の日で、DMの硝子体手術、巨大裂孔の網膜剥離手術(硝子体手術)、それに翼状片切除が行われました。

巨大裂孔では、フルオロカーボンが威力を発揮します。フルオロカーボンにより、後極部側から網膜が復位しますので、網膜の本来の位置で凝固を行うことができます。

ただ、最周辺部については最後まで剥離が残るので、光凝固がしにくいのが欠点です。

よって、後極部側は光凝固、周辺部側は冷凍凝固で処置いたします。

また、この場合、シャンデリアを使うことにより、自分で圧迫しながら凝固(光 or 冷凍)できるので、双眼倒像鏡による圧迫凝固と同じ感覚で行えます。

もちろん、ワイドアングルビューイングシステムを使用します。

ガス灌流下では一般的に視認性を保つのが難しく、巨大裂孔となるとどうしても水晶体摘出が必要でした。フルオロカーボンとシャンデリアの使用により、ガスは最後に置き換えるだけでよくなり、水晶体摘出を回避できるのは大きなメリットと思います。

ただ、フルオロカーボンはガスやシリコンオイルにくらべて表面張力が少ないからか、容易に裂孔を通って網膜下へ侵入いたします。孔が大きかったり増殖変化がある場合要注意です。

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