ハルナール

今日も昼から白内障手術です。

昨日書いた多焦点IOLにLRI+上側切開を行った症例ですが、本日の裸眼視力1.2、乱視は−1.25の倒乱視でした。手術により3D以上の乱視軽減効果があったことになります。術直後のオーバーシュートは数カ月で正常化するはずです。

昨日は手術開始から3例連続でハルナール類似薬服用患者で、ちょっとびっくりしました。最近すごく投薬患者が増えています。

ハルナールの副作用は眼科領域ではIFIS(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)ですが、ほかにもいろいろと記載されています。胃腸障害、頭痛、肝機能障害、低血圧、意識消失などなど。

虹彩は平滑筋と脈絡組織で構成されています。手術中にヒラヒラになるまでこの組織が変化している現実から想像するに、体のあちこちで、平滑筋や血管内皮に作用し、器質的変化を起こしているに違いないと思います。

頻尿になやまされている患者さんにとって福音ではあっても、むやみに飲むべき薬ではありません。

可能ならば、白内障手術の予定日からさかのぼって1カ月くらい休薬するのが望ましいと思います。

ST