眼圧計の紹介

私が昨年春に当院に赴任してから、初めての正月を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。
今回は眼圧計の話です。
眼圧は目の中の圧力です。高すぎると目玉がカチカチに硬くなり、神経が傷みます。
緑内障の進行を抑えるには、なるべく眼圧を低く保つことが大事です。したがって、眼圧を定期的に測定するのが緑内障の検査には欠かせません。
眼圧の測定方法にはいろいろ種類があります。目にプシュッと空気を当てる器械もその一つです。(非接触眼圧計)この方法は手軽で目に触れない点が良いのですが、測定値は角膜の厚みなどの影響を受けやすいです。もう少し正確な方法としては、目に接触するゴールドマン眼圧計がありますが、これも同様に角膜厚の影響をある程度は受けます。
レーシックの術後は角膜が薄くなっているので、これらの方法では眼圧が低く測定されます。また、たまに角膜が分厚い方もおられますので、この場合は眼圧は高く測定され、緑内障かどうか判断に迷うときがあります。
真の眼圧は目玉の中に器械を刺して測定してみるしかないのですが、それは現実的には不可能です。(こんな検査は受けたくないですよね...)
そこで、少しでも正確な測定値を得るために、特殊な眼圧計が近年いくつか考案されています。
その一つで、当院に設置しているものがDCT(dynamic contour tonometry )です。多くの論文でその有用性が報告され、実際に使ってみると、角膜の厚みに左右されずにほぼ正確な眼圧が測定できる印象を受けます。(レーシックの術前と術後で、あまり変わらない値が得られます)
まだこれを設置している施設は少ないのですが、昨年末のブログで書いたOCTと併せて、日々の診療に役立っています。

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