破嚢−2

今日も白内障手術が行われました。

中に、やや程度の強い角膜混濁の方がおられました。どうしても手術の遂行が困難であれば、一昨日ご紹介したシャンデリアを使う方法があります。硝子体腔からのレトロイルミネーションです。でも、今まで、それほどの強い混濁例には遭遇しておりません。大きめのCCCさえできれば何とかなることが多いものです。

昨日、器械の進歩により破嚢がほとんどなくなったことを書きました。それでも、チン氏帯がぐらぐら、極度の浅前房、グレードⅤのがちがち、モルガニタイプの白色液化などの危険例は要注意です。これらを避けると、ほとんど破嚢とは無縁の世界になります。

多焦点IOLで破嚢するとどうなるか?あるいはどうするか?これから多焦点IOLの使用を考えておられる先生方にとって、素朴な疑問と思います。破嚢すると場合によってはセンタリングが悪くなり、あるいは予定した屈折度数が得られなくなり、多焦点IOLでは致命傷となりかねません。

しかし、幸いなことに、上記のややこしい症例さえ避けておけば、ほぼ大丈夫ということになります。

破嚢するかもしれないような難症例にわざわざ多焦点IOLを入れる必要はないと思います。術前によく患者さんに説明し、(単焦点にすることに)納得していただきます。

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