破嚢

今日も白内障手術を行いました。

極小切開に変えてから破嚢を経験していないと書きました。正確に言えば、「超音波やIAチップによる破嚢」ということです。それ以外の破嚢ならば、たとえば、posterior lenticonus例や、もともとチン氏帯がはずれかけている例など、ぼちぼちあります。自分的にはこれらは「不可抗力」として、合併症からはずしています。

昔はよく破嚢していました。最後の核片を処理してふと見ると破嚢ということが多々ありました。それが最近はほとんどありません。腕が上達したからか?そうではありませんね。器械が進歩したからだと思います。

10年前の破嚢率は数パーセントくらいだったでしょうか。1%以下にするためには、左手で後嚢を押さえたり、角膜近くにチップを持っていったりといろいろと工夫が要りました。破嚢率が低いといっても、角膜混濁が多発することも多かったと思います。時代は変わりました。

器械の進歩はこれからも続くことでしょう。次第に「名人芸」が要らなくなってきているということであり、一抹の寂しさを感じたりもします。

ST