超音波白内障手術装置

最近、超音波白内障手術装置を新しくしました。27年前当院が開院したころは超音波手術が始まって5年くらいで、まだまだそれ以前のECCE(嚢外摘出)も一般的でした。さらに遡ると、1985年くらいから眼内レンズが使えるようになり、その後10年間くらいECCEが標準術式で、次第に超音波摘出(PEA)が主流になったという流れです。

 

開院以降、4世代の超音波手術装置を使用し、今回のセンチュリオンが5代目です。1機種を5〜10年で買い換えていることになります。

 

センチュリオン(アルコン)は今まで使っていたインフィニティの後継機種です。9年ほど使ってきたインフィニティは後継機種が出て5年以上経ったことにより部品交換が出来なくなりましたので、買い換えざるを得なくなったというのが本音ですが、センチュリオンを使ってみるとやっぱり違いははっきりしています。

 

超音波の効率がよく、前房の安定が抜群で、安全性が高いです。つまりは後嚢破損の率が下がるということです。最近読んだ論文によりますと、白内障手術の破嚢率はだいたい1.5%程度だったところが、ここ10年以内では1%以下に下がってきたそうです(ロンドン大学のデータ)。

 

その理由として、最も考えられるのが、超音波装置の進化と思われます。以前の機種でも破嚢率は十分に低かったのですが、新しい器械により、より安全に手術が行えるようになりました。術者のストレスも少なくなります。このような進歩は大歓迎です。

 

ST