受診遅れの弊害

コロナ自粛期間中は、stay homeの結果として、病院への受診が極端に減ってしまいました。電話再診による投薬のみの患者さんも多かったです。しかし、幸いにも、海外のようなオーバーシュートにはならず、1ヶ月半後の5月中旬に、早くも自主規制の解除が模索され、6月には全面的に解除されました。

 

この間、待機的手術は延期いたしましたが、網膜剥離、濾過手術(緑内障)、進行した白内障、IOL脱臼などの手術、および新鮮例にたいする硝子体注射は継続して行なっておりました。

 

6月に入って、院内の体制を元に戻し、待機的手術を含め、全てを取り扱うようになっています。

 

2週間くらい前から、新しい患者さん(新患)も増えてまいりました。2ヶ月の自粛期間はやはり、病状の悪化という副作用を伴っているように感じています。

 

白内障では、矯正視力が両眼とも悪化している症例が見られました。緑内障では、視野(視神経萎縮)が進行している例が見られました。黄斑浮腫で定期的観察をしていた患者さんでは、いつになく大きく浮腫が再燃している例が見られました。

 

2ヶ月前に視力低下を自覚したが受診できなかった患者さんでは、網膜動脈閉塞(RAO)があり、すでに治療が不可能でした。無治療のDMで両眼ともVH、TRDにより視力が低下している例がありました。

 

2ヶ月という短い期間でも、受診が抑制されたことにより、普段よりも重症化している症例が多く見られます。

 

あらためて、早期発見、早期治療の大切さを痛感しています。

 

ST