今年の連休でパリに滞在した際に泊まったホテルは、ヴァンドーム広場にあるホテル リッツです。
なかなかに居心地の良いホテルで、特に朝食で出たフレンチトーストが絶品でした。わざわざここに泊まったのは、ここの続きのアパートメントがショパンが死の直前に滞在していたことを知っていたからです。ショパンと同じ空間を味わいたかったのです。
ホテルリッツの向かいにあるショーメの店舗がその場所だったそうです。これは記念の看板です。ショパンがここに滞在したのは、イギリス旅行の後、体調を崩してから死ぬまでの数ヶ月でした。1849年の秋です。
ショパンの悲痛で壮大な音楽は、この時代の雰囲気を素直に反映したものでしょう。直接的には故郷ポーランドでの武装蜂起(1830年)により亡命者になったこともありますが、ルイ16世、マリーアントワネット始め、1119名もがコンコルド広場で処刑されたフランス革命の記憶も生々しかったことでしょうから。
ショパンの名曲、革命のエチュード、ポロネーズ5、6番(英雄ポロネーズ)、バラード1、4番など、フランス革命のオマージュのような気がいたします。
とりわけソナタ2番は、いきなり断頭台で始まり、不安、憐れみ、乱痴気騒ぎ、葬送から墓場まで、さながらフランス革命を模写したような作品です。
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