IOL交換手術

最近IOL交換手術の機会が増えています。

 

眼の中に入っているIOLを交換する理由は以下の通りです。1)IOLが脱臼している、2)IOLが濁っている、3)IOLの光学特性が合わない(多焦点の場合)、4)屈折度数が合わない(裸眼で近くが見たかったのに遠くにピンとが合ってしまったなど)。このうち4)はタッチアップレーシックの適応ですので、当院では可能ならそちらを選択します。

 

1)IOL脱臼の場合は、脱臼したIOLを摘出し、新たに強膜内固定という方法でIOLを挿入します。IOLの支え(ループ)を眼の白目の部分の硬い膜(強膜)に差し込んでしっかりと固定します。歯科のインプラントのようなものです。

 

IOLが脱臼していない場合、もともとのIOLが嚢内に固定されて、CCCが光学部径よりも小さく、全周が前嚢に覆われており、YAG後嚢切開が行われていないという条件が重なれば、10年以上経ってもIOLを取り出し、元の嚢内に新しいIOLを挿入できることがあります。

 

しかし、たいていは長い経過のうちにYAGが行われていたり、光学部が嚢外であったりしますので、IOLを摘出した後、硝子体の処置を行い、IOLを嚢外に固定しなければなりません。この際、固定が安定しなかったら、上記強膜内固定に切り替えます。

 

よほど条件が良い場合を除いて、硝子体の処置が必要ですので、硝子体と白内障の同時手術となります。

 

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