小児弱視治療

 小児の弱視の治療の標準は健眼アイパッチ療法で、視力の良い方の目にシールを張り、弱い方の目の視力の発育を促します。

 視力の感受性期に片目もしくは両目に適切な視覚刺激を受け取ることができない場合に弱視となる可能性がありますが、原因としては、斜視や先天白内障、眼瞼下垂、屈折異常などがあります。

 感受性期には年齢の限界があり、大人になってからでは弱視治療は効果はなく、長く見積もっても10歳頃までしか治療には反応しません。

 ですので、幼少の頃からアイパッチを開始することになりますが、問題は目にシールを張る行為です。大人と違って、幼児に治療の必要性を理解させるのは非常に困難で、シールを張っては剥がしてしまう、号泣するということを繰り返し、なかなか苦労するのですが、最近の研究でipadを使用した治療が試みられました。

 ipadで両目でゲームをするとう行為で弱視の改善効果を図り、従来のアイパッチ療法と比較したところ、ipadを使用した方が治療効果が良かったという結果が得られたそうです。2週間という短い期間の研究なので、長期の結果が待たれるところですが、ゲームをすることが治療になるという何とも嬉しい治療が標準となるかもしれません。

TN