弱視は子供にとって頻度の高い疾患で、弱視を見逃し、適切な治療を早期にしなければ視機能が発達せず、眼鏡をかけても視力が出ない状態となってしまいます。
しかし、幼い子供や理解の難しい患者さんの視力検査は容易ではありません。
スポットビジョンスクリーナーは、生後6カ月の乳幼児から大人まで使用できる携帯型のレフラクトメータです。
患者さんから約1メートル離れたところから、写真を撮るようにして器械の方を見つめてもらえれば、1秒で視機能上の問題(遠視、近視、乱視、不同視、斜視、瞳孔不同)を検知することができます。
私の甥っ子は3歳児検診の視力検査でひっかかり当院を受診したのですが、怖くてオートレフケラトメータに顔も乗せられず、泣いて視力検査もできず終わってしまいました。
私の家系は全員遠視で、父は片眼のみ+6.0Dの不同視で幼い頃アイパッチなどの弱視治療をしていました。
なので、甥っ子も遠視で不同視なのではないかとずっと気になっていましたが、検査スタッフや先生の手を煩わせてしまうことが申し訳なく、当院の再受診を勧めることができずにいました。
甥っ子の母である妹には家で視力検査の練習をするように言っていたのですが、危機感なく数年経過・・・。
そんな中、当院にスポットビジョンスクリーナーのデモ機が入ることとなり、検査スタッフの方が甥っ子を連れてきたらと提案してくれました。
甥っ子に受診を勧め、スポットビジョンスクリーナー、視力検査を行いました。
結果は右眼+2.50D、左眼+5.75Dの遠視で、不同視弱視でした。
弱視治療の年齢的にはギリギリですが、先生と相談し、眼鏡を作成、アイパッチの治療を開始することとなりました。
眼鏡合わせ時は遠視眼鏡特有のケントデリカット感にプププと笑っていましたが、眼鏡屋さんで出来上がった眼鏡はさほどケントデリカット感なく安心しました。
よく見えるようで、起床したらすぐに自ら眼鏡をかけているそうです。
アイパッチも検査スタッフの方が勧めてくれたサンリオキャラクターのものを毎日どれにするか選んで、楽しくできているとのことです。
先生、検査スタッフの方々、ありがとうございました。
3歳児検診や眼科に簡単にスクリーニングできる器械が導入されることで、弱視の危険性を見逃すことがなくなり、生涯にわたり視力が出ないような子供が減ることを願います。
M.S