大学と住宅の共通点って?

センター試験が終わり、大学受験は佳境に入っています。寝る間も惜しんで勉強をしている受験生がいる一方で名前さえ書けば合格できる大学もあるそうです。大手予備校の「入試難易予想ランキング」でFランクの大学とは入試倍率が低く、不合格者が極端に少ないか又は全くいないために偏差値を算出できない大学(学部)のことだそうです。

2015年文部科学省が主に新設大学対象に「設置計画履行状況等の調査」の結果を報告しました。いくつかの大学に対して授業レベルの改善を指示したといいます。2016年の報告では状況はさらに悪化して、「警告」を受けた大学があったそうです。

Fランクの大学では大学の英語の授業でbe動詞のおさらいや単数形、複数形の勉強をしてるとか、小、中、高で学んだ漢字の読み書きの復習をするとか、「履修上の注意」では『演習やグループワークを中心とした講義で1回の欠席や遅刻は自らの知識習得の妨げになるだけでなく、他の学生に迷惑となる場合がる。体調管理をきちんと行い、やむを得ない事情が無い限り欠席、遅刻はしないこと』と大学生に教えているとか。これは、人間としての基本であって大学生がこんなことを言われていること自体がとても恥ずかしいと思ってほしいものですが。

1991年全国の私立大学は372校だったのがこの20年で600校以上にふくれあがった結果、半数近い私立大学で定員割れが起こっているそうです。しかも国が私立大学に交付している補助金は、年間で3000億円以上にもなっていて、そのうちFランク大学に交付された金額はN工業大学(4億5953万9000円)C商科大学(4億8044万2000円)H大学(2億5218万5000円)だったそうです。

皆の税金をこんな大学に補助金として出しているなんて!と怒りがこみ上げてきたのですが、ちょっと待ってください…。統計調査好きな日本の各省庁は1991年から20年後に子供の数がどれくらいになるか、わかっていたはず。それなのに 何故?大学数がこんなに増えたのでしょう?大学を新設するには文部科学省が許可をださないと作れないはず。誰のせいでこんなことになってるの?と、ふつふつと疑問が…そして、次に頭に浮かんできたのは住宅のこと。

2033年に空き家が2100万戸超え、なのに「いまだに年間約100万戸の新築を建設」だそうです。

少子高齢化と叫びつつ、新設大学、新築住宅を作り続けるとその先はどうなっていくのでしょうか。今ある住宅をリフォームして大切に住んだらどうでしょう?大学については、中学、高校で人間の基本と基礎学問をしっかり身につけてきた人でさらに専門性の高い学問を学びたい人だけが行く大学に絞ったらどうしょう。そして、大学ではなく職業専門学校を充実させたらいいのではないでしょうか。

週刊誌を読んで、一人この国の将来を憂慮している私です。

Y.T