IOL強膜内固定の新法

先週から今週にかけて忙しい日々が続いています。3月に入って外来患者さんが増加していることに加え、手術の予定も多数入っていたからです。

この2週間でIOLの強膜内固定術(Scleral Fixation, SF)を4例行いました。SFは2007年の最初の報告以来、いろいろなバリエーションが報告されてきました。最近、大阪日赤病院の秋元先生らのグループによる結果がJCRSに掲載されています(Akimoto M et al: Intrascleral fixation technique using catheter needles and 30-gauge ultrathin needles: Lock-and-Lead technique. JCRS 2015;41:257-261)。

秋元先生の方法は、たまたま2月の終わりに講演会で実際に拝聴しており、「実に見事な方法だなあ」と感じ入っていたところでした。

この報告には前報があり、どのような固定でどの程度の安定が得られるかを実験的に検討してあります。筆者らは30-gauge針で作った細いトンネルで支えるのが最も良いと判断しており、ループを迎えに行く方法で行っておられます。

私のところでは、以前から報告されているとおり、24Gのランスで作ったトンネルに差し込む方法で行っています。こちらでは術直後の安定には欠けるかもしれませんが、自験例によりますと、翌日にはしっかりと固定されていることが確認されています。創傷治癒によるものでしょう。

いずれにしても、一部の術者(Agarwal A)が主張するように、グルー(生体接着剤)を使う必要はないと思います。

SFは今後ますます普及してゆくのではないでしょうか。

ST