IOLの強膜内固定

今週の月曜日に、5月以来9件目となる、IOL強膜内固定を行いました。この方法の良さは、眼内レンズの固定が良好なことで、偏心や傾斜が少なく、嚢内固定法に匹敵する安定感があることです。よって、多焦点レンズでもよい視力を出すことができます。(多焦点レンズでは瞳孔中心とレンズの中心が大体一致していなくては、レンズの性能が発揮されません。)

ただ、固定に至るまでの操作の中で、ややトリッキーな部分があり、習熟に多少の時間を要するかもしれません。私が手がけた一例目は、たまたまとてもうまく行きました。3例目で多焦点IOLを使用し、これも大成功しました。しかし、その後、術中にレンズの付け根がはずれたり、一度固定された部分を何度も着け直したりと、なかなか一筋縄では行かない場合もあることが分かりました。

しかし、一旦固定に成功した後に、はずれたり、ずれたりといったことはありません。手術時間が多少かかったとしても、全例、術後は良好な固定状態を維持しています。

手術のバリエーションも豊富で、いろいろな方法が報告されています。また、ふさわしい眼内レンズも一致した見解があるわけではありません。

いわゆるショートCではなく、昔Jループといわれた、長めのループがやりやすいです。ループが硬すぎると、強膜を通過させる際に曲がったり、折れたりといった危険性があります。今のところ、A社の3ピースが最もやりやすいと感じています。

ST