白内障術後のメガネ

白内障患者さんを診察しておりますと、よく、「手術したらメガネも要らなくなるんやね!?」とおっしゃる方がおられます。お友達で手術を受けた人に聞くと、「メガネが要らなくなった」という人が多いかららしいです。「いや、必ずしもそんな訳では。。。」と言えなくなる雰囲気があったりします。

実際、狙いを−1D(眼前1メートル)くらいに持ってくると、遠くも近くもそこそこ見えますので、「メガネが要らなくなった」ということも多い訳ですが、運転をする、あるいは、こまかい作業やコンピューターの場合はメガネがないと不便になります。

家でTVを見たり、家事はするけれども、運転や細かい手作業はしない人ならば、これでも「メガネが要らなくなった」となる訳で、結局のところ、患者さんの要求度により、メガネの依存度は変わってきます。ライフスタイルは人それぞれですので、必ずしもメガネが要らなくなる訳ではありません。

多焦点レンズやモノビジョン(左右の度数に差をつける)とて、メガネ依存度を下げはするものの、全く要らなくなるというものでもありません。

ということですので、「白内障手術の後、メガネは状況に応じて必要」ということを、ご理解いただきたいと思います。これは手術の善し悪しとは無関係であり、現状の眼内レンズの性質上、避けがたいことなのです。

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