トラベクレクトミー

今日もお昼から白内障手術でしたが、他に、昨日来られた緑内障の患者さんの緊急手術を行いました。

緑内障で薬(点眼薬)によりコントロールが出来ないような患者さんは手術の適応になります。特に、隅角が閉塞して眼圧が上がっているタイプは緊急手術が必要になります。

普通は水晶体が圧迫して隅角が閉鎖されていることが多いので、白内障手術を行い、場合によっては隅角の癒着を剥離します。これで再び眼圧がコントロール可能になることが多いのです。

しかし、今日の患者さんは、以前にすでに水晶体摘出を受けられた偽水晶体眼であるにもかかわらず、周辺虹彩癒着が進行し、プラトーイリスの状態になり、眼圧が上がり、虹彩ルベオーシスも出てきている状態でした。

手術としては癒着の剥離だけではとても間に合わず(癒着も簡単には剥離できません)、濾過手術を行わなければなりません。

濾過手術(トラベクレクトミー)だと、緑内障の原因のいかんにかかわらず、とにかく眼圧を下げる効果が期待できます。

たくさんの眼科手術を行っていると、中に、レクトミーが必要になるほどの緑内障になられる方が必ず出てきます。よって、緑内障の専門家ではなくとも、レクトミーはなんとか出来るようにしておかなければなりません。

最近は、結膜は輪部切開(fornix base)、強膜は二重弁にし、パンチで大きめの孔をあけ、周辺虹彩切除も大きく、MMCを充分に効かせるなどに注意して、レクトミーを行っています。


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