RK後の対策

LASIKが行われる前、はやった近視矯正手術に放射状角膜切開(RK)があります。日本では眼科専門医があまり行いませんでしたが、近視のとても多いお国柄、多くの方がこの手術を受けられました。当院でも何名かに行っています。RKは決して不当な医療行為ではありません。LASIKPRKが行われる前、2000年頃まで、世界的に標準の術式でした。

RKでは角膜周辺部に何本かの切開を置いて脆弱化させ、突出させることにより、中央部を平坦化させ、近視を治します。一般的に、角膜は年齢とともに強度が弱くなりますので、RKは年とともに効果が強まり、遠視化する傾向にあります。角膜中央部が脆弱化するので、どちらかというと年々近視化するLASIKとは逆になります。

高齢化すると調節力が衰えて老眼になりますが、RK後はそれに遠視化が加わりますので、見かけ上、老眼が早くくるような印象を受けます。RK後の患者さんで、老眼世代になると視力が落ちることを訴える方が多いのはそのためです。

RK後の弱った角膜で遠視矯正を行うためには、LASIKを追加しても、ますます角膜が弱くなりますので、ほとんど効果はありません。老眼世代のRK後の患者さんでは、まず白内障手術を検討いたします。すでに偽水晶体眼の場合、眼内レンズのアドオン(二枚目のレンズの移植)を行います。


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