ICL手術

今日はお昼から雨がぱらつく天気となり、暑さもちょっと一服といった感じでした。

昨日はICL(Implantable Collamer Lens)の手術を行いました。近視度数が−15Dくらいの最強度の近視の方で、もちろん、LASIKの適応は大きくはずれてしまいます。しかし、ICLでは矯正が可能です。

ICLでは健常な水晶体を傷つけないことが非常に大切です。レンズを虹彩の後ろ、水晶体の前に置く訳ですから、そのあたりが最も心配になってくるところだと思います。そのため、レンズには前に突出したカーブがついており、水晶体とは直接接触しないように設計されています。足の部分はチン氏帯に接触いたしますので、水晶体とは直接触れておりません。

水晶体の中央部でレンズと水晶体との距離がどの程度かを常にチェックいたします。これをvaultingと呼びます。vaultingが角膜厚の半分くらいが理想的とされています。

しかし、レンズの落ち着き先である毛様溝の大きさが人によってまちまちですので、適切なサイズを術前に選んでおかなければなりませんし、vaultingに多少のばらつきが出るのは致し方のないことです。

術直後に診察して、vaultingが適切であれば「よかった、よかった」ということになるのです。

vaulting量の測定には前眼部OCTが威力を発揮いたします。また、毛様溝径の測定には精密超音波診断装置、UBMが有用です。

ICLのサイズが不適の場合、サイズ交換をしなければなりません。幸い、ICLの取り出し、再挿入は比較的安全に行うことが出来ます。


ST