網膜剥離の手術

今日もいつもどおりお昼から白内障手術でした。特に問題もなく、終了いたしました。

朝の外来では、ひさしぶりに網膜剥離の患者さんが来られましたが、残念ながら当院での手術を断念し、紹介となりました。

当院ではすべての手術を日帰りで行っております。諸外国の例を見ても、眼科の手術で入院をさせているところは少数です。しかし、日本では入院による眼科手術が保険により未だ認められています。

もし、アメリカのように健康保険で入院が認められないという条件であれば、すべての手術を日帰りで済ませることは可能です。ただし、入院してもよいという我が国の制度のもと、無理をして全例を日帰りで行う必要はありません。

白内障LASIKは全例日帰りがあたりまえとしても、網膜手術においてはその限りではありません。

今日の症例は下方から始まり、発見の遅れた網膜剥離であり、偽水晶体眼でした。裂孔は下方の最周辺部にあると思われました。比較的年齢も若い方で、硝子体はしっかりしています。一部、網膜のしわを認めました。

手術としては硝子体手術が必要で、術後の体位の管理が重要となります。下方の裂孔をガスで押さえるには、厳重な俯き姿勢が必要だからです。

日帰りだと、体位の管理は患者さんまかせとなってしまいます。上方の裂孔や、バックル手術ならばそれでもOKですが、今回の場合はちょっと無理と思われました。

網膜剥離の手術では、必ずしも一度の手術で復位するとは限りません。2度、3度と再手術になることも多いです。日帰りでは、そんな時、精神的に参ってしまいかねません。これも、入院手術の方が安心な理由となります。


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