老人環

ご高齢の患者さんから、たまにこんな質問を受けることがあります。
「最近、黒目の上のほうが白くなってきてるんですけど、大丈夫でしょうか?」
これは、角膜(黒目)の周辺部に沿って環状に脂質が沈着して白色の混濁を生じたもので、その名もなんと「老人環」です。

ご高齢の方ほどなりやすく、また、血中のコレステロール値が高いとなりやすいともいわれています。
「角膜が濁るなんて、大丈夫?」と思われるかもしれませんが、角膜に関しては、中央が透明でゆがみなどがなければ視力に影響しませんので、老人環のように周辺部の混濁だけであれば心配要りません。たまに若い方にも同様の混濁が生じることがあります。
ただし、充血や痛みなどの他の症状を伴っている場合は、単なる老人環ではなく他の病気(たとえば角膜潰瘍など)の可能性がきわめて高いので、注意が必要です。
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