最近は白内障手術を予定して来院された患者さんに、可能な限り、OCT検査を行っています。おかげで、今までならば見過ごされていたであろう眼底病変がよく見つかります。
いわゆる黄斑前膜などは、一定の年齢以上ではかなりの頻度になりますので、それほど驚くことではありません。
最近来られた患者さんでは、立て続けに２例、中心性網膜症の方がおられました。
中心性網膜症で黄斑部の網膜が派手に剥離していると、やっぱりちょっとびっくりします。中心性網膜症では矯正視力の低下と遠視化が特長です。もともと白内障で少し視力が低下している方だと、中心性網膜症により更に視力が低下しますので、「もう我慢の限界」と受診される方が多いのかもしれません。
しかし、中心性網膜症をそのままにして白内障手術を行っても、当然ながら、満足な結果は得られません。
中心部の網膜剥離により、眼軸長が短くなっているのは、IOLの度数に影響する可能性があります。
この場合、IOLマスターなどの光学的測定のほうが誤差は少ないでしょう。
白内障手術を行う前に、眼底疾患の治療にめどをつけておく必要があります。
蛍光眼底撮影で単純な漏出だと、レーザー治療のよい適応になります。
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