後水晶体円錐 posterior lenticonus

今日はお昼から白内障手術を行いました。

そのうちの一例で、後水晶体円錐(posterior lenticonus)を認めました。40代以下の若い世代の白内障で時々みかけます。年に2〜3例といったところでしょうか。

水晶体が硝子体と接する中央部分が濁り、嚢が後ろにやや突き出ています。中央部の濁りなので視力低下も強く、手術が必要となってきます。

ところが、混濁のある部分の後嚢がとても弱く、混濁を取る時に嚢が破れることがあります。破嚢といっても不注意からではなく、必然的なものもあるのです。

後円錐の手術では、破嚢を予測して、対策を立てつつ行います。CCCは通常より小さめにし、硝子体の脱出を避けるとともにIOLの嚢外固定に備えます。ハイドレーションは最小限にとどめ、嚢の爆発を予防します。

たいていはI/Aで中央部の皮質を吸引する際に破嚢します。破嚢する前にposterior CCCをするのも一法です。

破嚢しても、IOLが嚢内に挿入され、硝子体脱出もなければ、結果は通常の手術と全く変わりません。

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