眼内コンタクトレンズ

LASIKやICLなどの屈折矯正手術に新たに眼内コンタクトレンズ(IPCL)が加わりました。IPCLはImplantable Phakic Contact Lensの略で、ICL(Implantable Colamer Lens)と同じく、虹彩と水晶体の間に挿入する有水晶体眼内レンズです。

 

ICLとは材質が異なり、IPCLは親水性アクリルで出来ています。主にEUで用いられている眼内レンズ(IOL)の素材であり、日本では認可されていません。しかし、レンティス、ミニウェル、アドオンレンズなどで見られたごとく、精密な加工が容易な素材であり、度数が強いレンズや多焦点レンズ(回折格子)が提供可能なほか、オーダーメイドにより1〜2ヶ月で個々の患者さんに合わせた度数のレンズが製造可能です。

 

結果、−3D以下の軽度近視、遠視、−30D以上の高度近視、老視(老眼)にも対応可能であり、非常に適応が広い有水晶体眼内レンズです。

 

ICLでは適応が45歳以下と老眼世代は外れていましたが、IPCLでは多焦点レンズを使うことにより老眼世代でも使うことができます。白内障が出ていない老眼世代で、屈折矯正とともに老眼にも対処したいとのニーズに応えることができます。

 

IPCLでは多焦点は3焦点の回折型であり、加入度数も+1〜3Dと選ぶことができます。また、ICLと同じく、摘出すれば元に戻るという利点があります。これは多焦点レンズの場合、特に有効かもしれません。多焦点の見え方(ハロ、グレア)に慣れることが出来ない方が一定の割合でおられるからです。

 

もちろん、若年世代では単焦点IPCLを用いて近視、乱視の矯正が可能です。LASIKでも矯正が難しかった若年の高度遠視が矯正可能とすると、斜視、弱視の治療にもつながる可能性があります。

 

屈折矯正手術は従来のLASIK、ICL、白内障手術(中高年世代)にIPCLが加わることにより、より多様なニーズに応えることができるようになりました。当院では10月からの導入を予定しています。

 

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