ヴァーチャル学会

先週に副院長も書かれてましたが、最近は学会がウェブ開催となっており、その良さが次第に明らかになっています。先週末にウェブ開催されたAAO(American Academy of Ophthalmology、年に一度のアメリカ眼科学会)では、通常の学会日程に合わせてウェブ講演が組まれたので(ヴァーチャル学会)、まるで地球の裏側の学会場へ足を運んだかのような臨場感がありました。しかも、これらの講演が今後半年以上、いつでも参照できます。参加費用が例年よりも高かったのですが、これなら文句はありません。

 

同時期に日本の臨床眼科学会も開催され、11月の下旬まで参照できます。こちらは残念ながらヴァーチャル学会とは行かず、本来の開催時期に遅れてウェブ公開されました。しかし、短期間ながらいつでも参照できますので、ほとんどの内容に目を通すことができました。

 

AAOのようなヴァーチャル学会を運営するには、すべての演題を一定のフォーマットで準備してもらい、それを主催者が組み立てなくてはなりません。演者と主催者のどちらもが大いなる熱意を持って協力して初めて行えます。準備は少なくとも半年はかかったでしょう。しかし、今後この方法が定着し洗練されてくれば、リアル学会よりもむしろ簡便に準備できるようになるに違いありません。

 

演者は世界のどこからでもノーコストで演題を提出できますので、各分野における世界的オーソリティに同時に参加していただくことも可能です。夢のようなシンポジウムが現実になります。

 

実際、今回のAAOでは、教育的セミナーにしても例年以上に充実しているように感じました。今後半年以上かけて、学会の隅々までゆっくりと覗くことができるのはとても楽しみです。。

 

コロナでグローバリズムが崩壊したとはよく言われますが、実は、デジタル化により地球が一つになったということかもしれません。AAOにしても参加者がアメリカに行く必要がありません。それだったら、アメリカに主催を委ねる必要も無いわけで、例えば大阪や離島でも開催することが可能なわけです。今後、ますます国境の壁が取り払われるということになって行くのでしょうか。

 

行き来止め 知識は世界を かけめぐる

 

ST