緑内障のレーザー治療

緑内障の初期治療として注目されているSLTはSelective Laser Trabeculoplastyの略です。専用の装置を用いて、組織を破壊するYagレーザーを隅角のトラベクルム(房水が眼外に出て行くところ)に直接照射します。

 

径600ミクロンのレーザーを約100発打てば、ほぼ全周をカバーします。施術時間は10分ほどで、痛みはありません。

 

レーザーの照射により、組織の水に対する抵抗が下がり、水がより多く通過するようになり、眼圧が下がります。

 

効果には個人差があり、全く効果のない場合もあるので、レーザーのみで眼圧コントロールが可能な症例は約70%と報告されています(海外)。

 

照射後1週間は充血や違和感が残る場合もありますが、すぐになくなります。

 

眼圧下降効果は1週間くらいから徐々に現れ、1ヶ月から1〜3年間有効です。

 

施術後も3ヶ月に1度、定期的な受診が必要です。年単位での経過観察により、視野の進行の有無を確認して初めて治療効果が判定できます。

 

点眼薬に比べ、アドヒアランスが良好で(さし忘れの心配がない)、副作用が少なく、ADLの低下が少ないのが特長です。

 

緑内障と診断されたなら、一度はSLTを試してみる価値があると思います。

 

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