緑内障は視神経の変性により視力、視野が慢性的に障害される病気です。変性により低下した機能は、お薬や理学療法、手術などで回復させることができません。早期発見と予防が大切になってきます。
緑内障の治療とは、神経の変性の悪化を防ぐことであり、一旦悪くなった変性を改善させることではありません。「緑内障は治りますか」とはよく聞かれる質問ですが、「治る」ということが白内障や網膜剥離の治療と同じ意味とすると、「緑内障は治らない」ということになります。
日本語だとこのようにややこしいことになってしまいますが、英語では、careとcureの違いとしてはっきり区別されており、緑内障の治療はglaucoma careあるいはserviceとは言ってもcureあるいはcuringとは言いません。
「治療」という言葉のうち、「治」はなおす(cure)「療」はいやす(care)ということで、cureとcareをくっつけてるからややこしいのです。日本語では意味をぼやかして単語が作られていることが多いので注意です。
幸いなことに、緑内障における視神経の変性は、眼圧を下げることにより進行を(ある程度)予防できます。このような治療法(care)があるのは変性疾患としては珍しいことです。
しかし、一旦悪くなった変性は回復しないこと、眼圧を下げても変性の進行を完全には止められない場合があることなど、注意が必要です。
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