ミニウェル レディ

昨年後半から業界で話題になっている多焦点眼内レンズがミニウェル レディというイタリア製のレンズです。AMOのシンフォニーと同じく焦点深度拡張型(Extended Depth of Focus, EDOF)ですが、シンフォニーとは異なり、回折型ではありません。

中央部分で正の球面収差、中間部で負の球面収差、周辺部では収差なしという同心円状3層構造で、屈折型の多焦点レンズのようです。収差による「ボケ」を逆利用したという点が斬新です。素材はレンティスと同じもののようです。

実際に使用された先生のご意見では、「患者満足度が高い」とのことですので、楽しみです。遠方から眼前50cmくらいまでピントが合うようです。それより近くはやや弱いとされています。少なくとも、従来の多焦点レンズに比べ、ハロ、グレアが少ないのは確実ですので、一定の需要は見込まれると思います。

このレンズはヨーロッパ(ユーロ)では使用可能ですが、日本やアメリカで認可されている訳ではありません。日本の薬事に通っていないので、今の所医師の責任のもと、自由診療でのみ使用可能となります。

EUではこのほか、40種類以上もの多焦点レンズが認可されており、戦国時代の様相を呈しています。いちいちどれがどの程度優れているか、判断も困難で、医者も患者も選択に困ることでしょう。

ミニウェル レディは輸入業者があり、当院にていつでも使用可能ですので、ここでお知らせいたします。3月からは乱視矯正の入ったバージョンも導入される予定です。

価格はレンティスと同じです。ホームページをご参照ください。

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