白内障混濁の位置

今日は月初ということで、比較的混濁の強い白内障患者さんが並びました。両眼手術の場合、混濁の強い方の目から手術しますので、こんなことになるのです。

すると、白内障の皮質の混濁は下側に多いことに初めて気がつきました。耳側からのアプローチでは右眼は右奥、左眼は左奥の部分で、うまい具合に超音波チップが当てやすい位置です。

そう思って文献を検索すると、やっぱり出てきました。例えば、Graziosi P1, Rosmini F, Bonacini M, Ferrigno L, Sperduto RD, Milton RC, Maraini G.  Location and severity of cortical opacities in different regions of the lens in age-related cataract.  Invest Ophthalmol Vis Sci. 1996 Jul;37(8):1698-703. を見ますと、皮質白内障の混濁は優位に下鼻側に出現すると書かれています。

その原因として、太陽光線への曝露が挙げられています。太陽は上から照りつけるので、水晶体の下方が常に紫外線を含む太陽光線にされされやすいです。これが積もり積もって白内障になっているとすれば、予防対策として真夏の照りつける太陽下ではサングラスが必須ということになります。

6〜7月ごろから、「最近見えにくい」と訴える患者さんが多くなるのは、白内障の進行を自覚するか、あるいは、眩しい光により瞳が小さくなるので、視力が低下すると考えられます。

中年以降では炎天下サングラスを常用して、白内障加齢黄斑変性などの目の成人病を予防するようにしましょう。

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