セカンドオピニオン

最近「セカンドオピニオン」という言葉をよく耳にします。日本語訳、「第二の意見」ということですので、字義通りに解釈すれば、医療の分野では、患者さんが主治医とは別の医者の意見を聞いて治療方針決定の参考にすることということになりますが、ここには多くの誤解がありますので注意が必要です。

と言いますのも、皆さんがお使いの保険医療では、二重診療が禁止されているからです。同じ病気の治療で同じ科目の複数の医療機関を同時に受診することはできません。これを認めてしまうと、保険医療がパンクしてしまいます。

しかし、一人の医師の意見のみで治療方針決定が困難な場合もあることでしょう。そのために用意されているのが、保険診療におけるセカンドオピニオン制度で、第二の医師の意見を聞く部分は自費診療になります。それが前提で、第一の医療機関は紹介状、検査データ、画像データなどを用意することにより、保険点数が請求できます。

セカンドオピニオンを出す医療機関では一切の検査ができません。第一の医療機関から提供される情報のみを頼りに意見を出すことになります。これに対応できるのは多数の専門医師を抱えるごく一部の医療機関のみです。大阪地区では阪大病院がセカンドオピニオンを受け付けています。費用は32400円となっており、完全予約制です。

ところが、当院では、「他の眼科で治療中ですが、一度診て欲しい、先生の意見を聞きたい」という患者さんが毎日のように来院されます。中には「セカンドオピニオンが知りたい」とズバリおっしゃる方もおられます。その場合、保険証を確認して通常の初診として扱います。これは正確には「転医」ということで、患者さんの御意志で別の医療機関に代わったということになり、セカンドオピニオンではありません。

当院通院中にセカンドオピニオンを希望された患者さんは阪大病院を紹介いたします(自費診療です)。他院加療中でも、今後当院での診療を希望される患者さんは、セカンドオピニオンではありませんので、当院で保険診療をいたします。

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