メンデルスゾーンにはまる

メンデルスゾーンといえば「結婚行進曲」や「バイオリン協奏曲」が有名ですが、ピアニストの演奏会ではあまり採り上げられません。ショパンシューマン、リストとほぼ同世代ですので、現代ピアノの黎明期の作曲家ということになり、当然、ピアニストとしても優れていたはずです。

ピアノ曲で最も有名なのが「無言歌集」でしょう。ロマンチックなメロディー満載でとても奇麗な曲ばかりですが、残念なことにピアノの技巧的に易しすぎて、演奏会には向いていないのです。

次いで「ロンドカプリチオーソ」が有名で、教育目的にもよく使われているようです。華やかな技巧を聴かせる曲とはいえ、ちょっと深みに欠けるといいますか、正面切って取り組む曲という雰囲気ではありません。プロの演奏家が弾くと「速さを競う」ようになってしまい、芸術性に欠ける感じがします。

無言歌集を除くと、ピアノ独奏用の曲は2冊の本にまとまるくらいの量です。最近、ペータースやブライトコプフの全集を購入して、ピアノ曲をいろいろと弾いてみたところ、バッハと同じような前奏曲とフーガが結構多いことに気づきました。ただ、フーガといっても、バッハほどのインパクトはありません。

結局のところ、作曲者自身がピアノ独奏用に編曲した「真夏の夜の夢組曲が最も気に入りました。

序曲、スケルツォ、間奏曲、夜想曲、結婚行進曲と、どれをとっても芸術的で、自分で弾いていることを忘れてうっとりと曲に聴き入ってしまいます。ホロビッツは結婚行進曲を自分で編曲しましたが、作曲者自身によるもののほうが遥かに弾きやすく、充分に楽しめます。

ホロビッツ編の「結婚行進曲」もネットで手に出来ます。

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