ベヒシュタインピアノ

最近仕事が忙しく、また体力もなくなったせいか、ゴルフに行って遊ぶことがほぼなくなりました。ゴルフは大学卒業と同時に「付き合いで必要だから」と同級生達に勧められ、始めたものですから、かれこれ30年以上の経歴ですが、一向に上達しないばかりか、最近はハンディが下がるばかりでした。

やっぱり、最低月1は行かないと、能力の維持すら困難で、遊びに行くやらストレスをためるやらわからない状態でやっていても意味がないと思うこのごろです。

もともと屋外スポーツには体が向いていないのです。その点、ピアノの演奏は小さい頃からやっていますので、未だに楽しく取り組むことができます。老化防止にも向いていますし、時間も取りませんので、仕事との両立もたやすいのです。

とはいえ、楽器にはこだわりが必要です。ピアノを習いだした頃は縦型でしたが、姉がけっこう本気だったので、小生が高校の頃にはグランドピアノになりました。以来、ピアノといえばグランドで、縦型は弾く気がしません。

そもそも縦型とグランドとでは全く別の楽器と言ってもよいほどで、音色、タッチ、弾きやすさが違います。ということで、長年実家のスタインウェイピアノ(古いB-211)を愛用してきたわけですが、このピアノが実家の処分でなくなったので、新しく2年前に新品のスタインウェイA-188を購入しました。

スタインウェイは現代の視点からはピアノの王様で、世界の演奏会場の9割以上がこのピアノです。ということで、プロ、セミプロの練習用としてもこのピアノでなければといったところもありますが、実のところ、歴史は結構浅いといえます。

スタインウェイの創立は1850年ごろであり、ようやく19世紀の終わりに認められてきた楽器のようです。ということは、モーツァルトやベートーベンの古典派は言うに及ばず、ショパン、リスト、シューマンなど、大多数のピアノ音楽作曲家が知らなかったピアノです。

彼らが親しんでいたピアノはたとえばショパンのエラール、プレイエルなど、今では作られていません。古典派の時代のフォルテピアノはあったとしても実用性は低いでしょう。維持するのも大変です。そんな中、ドイツのベヒシュタインは、今なお新品で生産されており、旧時代の作曲家がイメージできたピアノにも近いのではないかと勝手に想像しています。

今回たまたま、中古ではあるものの、ちょうどよいサイズのベヒシュタイングランド(L-165)が見つかったので、購入することにいたしました。やっぱり、想像通り、スタインウェイにくらべて派手さはずいぶんと劣りますが、音階やトリルの演奏はとても楽で、古典〜ロマン派の作曲家の演奏がとても楽しいピアノでした。

これはよい買い物をしたと、喜んでいます。場所さえあれば、もっともっといろいろなピアノを試してみたいものです。

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