白内障手術はいつ受けるのが良い?

When is the Right Time to Have Cataract Surgery?
アメリカ眼科学会(AAO)のホームページで今月アップされた記事です。

当院でも何人もの患者さんから毎日同様の質問を受けますので紹介させていただきます。

白内障手術で緊急性のある場合というのは限られています。
いわゆる狭隅角と呼ばれる目の患者さんで、眼圧が上がっていれば早めに白内障手術を行う必要があります。
また、白内障を放置しすぎて溶け出している(!)ような場合にもすぐに手術が必要です。

実際の普段の診療ではそのような緊急性のある患者さんの方が少なく、手術はまだ「どちらでも良い」患者さんの方がはるかに多いです。
ではどんなタイミングで手術を受けるのが良いでしょうか?
上述のAAOの記事では、手術決定のための4つの質問が紹介されています。
①Are your cataracts impacting your daily or occupational activities?(日常生活に支障が出ていませんか?)
 この質問は私も初めに必ずします。
②Are your cataracts affecting your ability to drive safely at night?(夜の運転に支障が出ていませんか?)
 これが2番目に来るところはアメリカらしいですね。運転する方、特に運転を職業とする方には重要な質問です。
③Are your cataracts interfering with the outdoor activities you enjoy?(アウトドアでの活動に支障が出ていませんか?)
 これもアメリカらしいですね。最近は日本でも年齢にかかわらずスポーツや野外での趣味を楽しむ方が増えてきたので、そのために白内障手術を希望する方も増えてきました。
④Can you manage your cataracts in other ways?(手術以外の方法で見えますか?)
 たとえば照明を明るめにしたり、サングラスや眼鏡でまだ十分見えるようであれば、慌てて手術を受けなくても大丈夫です。年齢とともに白内障が進行すると、どう工夫しても視力が出なくなりますので手術の適応です。

ただし、見えにくい場合に白内障が原因となっていることが大前提ですので、他の病気の有無を眼科で見てもらうことは必須です。

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