眼内レンズの度数

白内障手術の際に挿入する眼内レンズの度数を決めるために、様々な計算方法が考案されています。
当院では、最も一般的な計算式に院内データを加味しつつ、さらに他の計算式や定数も参考に総合的に眼内レンズ度数を決定しています。
しかしながら、ここまで慎重に決めても人間の目というのはなかなか難しいもので、術後の屈折度数が予想と多少異なることが時々あります。
何故このようなことが起こるかといいますと、眼内レンズの計算式というのはあくまで経験式なので、平均的な形状の眼球ではだいたい計算通りになるのですが、平均よりも極端に大きい、もしくは小さい眼球などでは計算からずれてしまいやすいのです。だからといって、このような極端な目に合わせて計算式や定数を決めてしまうと、逆に平均的な目の場合に計算が合わなくなるのでジレンマに陥ります。
対策としては、平均値からかけ離れたデータの眼球では場合分けをして、違う計算式、定数を用いるのが良いかもしれないと日々思索中です。
本日から開催されている臨床眼科学会でも、眼内レンズ度数計算に関連する演題を発表予定です。

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