人間にとって成熟とは何か「曽野綾子」著より

「75万部突破」と書店で平積みされていた、曽野綾子さんの本を買いました。

曽野さんによると海外(と言っても先進国ではない)の医療と比べたら、国民皆保険の制度がある日本という国は、世界的に見て「天国のような国」だと言う。

そう言えば、30年前のアメリカ(先進国ですが)で赤ちゃんだった息子が風邪で小児科に行き、処方箋をもらって調剤薬局に行った時のこと。
薬剤師が「この薬は安いですが副作用があります。こちらは副作用はほとんどありませんが、高いです。どちらにしますか?」との問いかけに、国民皆保険が当たり前と思っていた私は本当に驚いたし、生後3ヶ月の息子に飲ますのに、この人は何てひどいことを言うのか!と怒りさえ覚えたくらいでした。

でも、その後、世界の国の医療保険の事情を知るにつけ、日本が「凄い!」のであって世界標準は日本ではないと言うことがわかりました。

この、世界に誇れる社会保障制度を維持するための財源として来年消費税が8%になります。

社会保障制度には1:医療保険 2:年金制度 3:労災保険 4:雇用保険 5:介護保険があります。
これがあるから、日本では安心して暮らしていけるのです。

ところが、ずっと日本で暮らしていると、病院に行ったら医療を受けるのは当たり前、労災保険も、失業保険も、介護保険ももらって当たり前…いえ、当たり前かどうかも考えることが無くなっているのではないでしょうか?

「確かに不当な遠慮は要らない。不運や病気は当人の責任でない場合も多い。生活習慣病は当人の責任だが、多くの感染症や遺伝的に起きる病気は当人のせいではない。そのような不平等を超えて、だから生まれてきた以上、生きることが人間の使命である。そして、人間は生かされ、同時に他者を生かすことのためにも働くようになる。

ところが、最近では、受けて与えるのが人間だと言う自覚は薄くなった。人権とは要求することだと教わってきたからだ。
私達は誰もが、多くの人のお世話になって生涯を送る。だからこそ自分が受けた処遇に対する感謝が深くなって当然だろう。」と曽野さんが書かれています。

日本に生まれたことを感謝しないと…                          
Y.T