術後のSPK

今日は副院長がお休みなので私が連投で。

先日、「手術をした目が痛い」といって来られた患者さんがおられました。といっても、当院の手術患者さんではありません。どこかの総合病院で手術を受けられた方です。

本来、術後の経過は手術を受けた施設で行うのが原則ですが、中に、「主治医が信用できないので意見を聞きたい」と、こられる方が後を絶たないのです。ま、当院で手術を受けられた方が他院を受診されることもありますので、おあいこですが。

主治医との信頼関係が結べない場合、原因は医師にある場合もありますが、患者さんのほうにあることも多いです。

しかし、先ほどの方の場合は、ちゃんとした理由がありました。もともと糖尿病があり、片眼は緑内障手術が行われ、もう片眼に硝子体手術が行われていました。硝子体手術の方の目が痛いとのことで診察しますと、やはりといいますか、そちらに眼表面の異常(表層性角膜炎、SPK)と充血を認めました。

緑内障手術は10-0シルクという細い糸ですが、硝子体手術の方は7-0バイクリルというやや太い、炎症を起こしやすい糸を使っており、術後の眼表面に差が出たのです。患者さんにはそんな事情はわかりませんので、不安感を持たれていたのです。

「心配ない」という旨説明いたしましたところ、とても喜んでいただけました。

SPKは簡単なようで、いろんな手術の術後経過に大きく影響します。おろそかには出来ない病態です。非ステロイド系の点眼が悪さをしていることもあります。

硝子体手術も当院のような極小切開、無縫合手術ならばSPKをほとんど起こしません。旧来の20G手術とは格段の差があります。

ST