白内障両眼同日手術

昨日、今日と白内障手術を行いました。先週は、当院としては初めて、お一人の患者さんに両眼の同日手術を行いました。といってもこれは例外で、計画停電の副産物でした。

今月号のOphthalmology誌の巻頭論文(Improving the second-eye refractive error in patients undergoing bilateral sequential cataract surgery. 2012;119:1097-1101)でも述べられている通り、初回手術時にIOL度数が予測とズレた場合、それを修正の材料としてもう片眼の度数決定を行うことにより、2眼目では度数ズレが減少いたします。ズレがあったとしても両眼同じようにおこる傾向があるということです。

としますと、度数決定の正確さを求めるならば、同日手術は邪道ということになります。よほど度数決定に自信があれば別ですが。

とはいえ、患者の利便性を考えた場合、手術の間隔を一週間もあけるよりは、同日、あるいは二日連続のほうがよいと思います。利便性と度数の正確さのどちらを優先するかということになります。大きな度数ズレは術翌日に明らかですので、二日連続手術が最大公約数的には最もよいかもしれません。

ということで、当院では白内障の二日連続手術が多くなってきています。

そのためには、術翌日の視力回復がとても大切です。術翌日のフレア値が10pc前後、眼圧正常、角膜浮腫なしを目指して手術を行います。

当院で稼働している超音波手術装置Infiniti OZIL IPでは、術翌日の視力を出しやすいことが、多くの論文により確認されています。核が飛び跳ねることが少ないからだと思います。


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