角膜混濁例の硝子体照明

今日はお昼から白内障手術が行われました。今週は今日を含めて3日間連続で白内障手術が行われます。

22例のうち、トーリック(乱視矯正IOL)を2例に用いました。トーリックの際は軸決めが大切ですが、当院では虹彩紋理を認識してマーキングを行います。しかし、術中には必ずマロニーリングで再確認いたします。軸ズレは乱視矯正効果に大きく影響いたしますが、ゼロにすることは困難です。

ICGによる前嚢染色を3例に行いました。染色を行うようになってから、CCCが外に流れるということはなくなり、後嚢に亀裂が回ることもほとんどなくなりました。とはいえ、通常の症例よりは神経を使いますし、時間もかかります。

きょうのハイライトは角膜混濁例です。角膜混濁といっても、角膜の一部だけの混濁ならば、特に問題ありません。角膜混濁では硝子体手術用の照明装置を用いると簡単になることは知っていましたが、今まで、実際に行うことはありませんでした。

しかし、今日の症例は、透明な部分がほとんどなく、徹照もほとんど効かない状態で、顕微鏡の光量をあげてもよけい見にくくなるだけで、ほとほと途方にくれてしまいましたので、思い切ってシャンデリア照明を使うことにいたしました。白内障単独手術では初めてのことです。

当院では27Gのブライトスターですので、経結膜的に簡単に挿入することが出来ます。硝子体照明を行い、顕微鏡の照明を消すと、驚く程きれいに水晶体を観察できるようになりました。これにはちょっと感動いたしました。もちろん、ICG染色も併用しております。

こんなに手術が簡単になるのなら、もっと早く使えば良かったと思いました。


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