付加価値レンズ

昨日書いた冊子で京都のO先生が書いておられましたが、ASCRSではほぼ2年ごとにトピックスが入れ替わるとのこと。確かに言われてみればそんな気がいたします。

眼内レンズについては、着色IOL〜非球面IOL〜多焦点IOL〜乱視矯正IOLと次々と話題が入れ替わりました。

これらのIOLは付加価値レンズとも呼ばれます。通常の単焦点の球面レンズにくらべ、文字通り付加価値が付いていますが、必ずしも普及するとは限りません。

たとえば多焦点IOLの場合、保健適応ではあるもののIOL代金を別途お支払いいただかなくてはなりません。単焦点にくらべ、ご負担はほぼ10倍にもなります。

逆に乱視矯正IOLは混合診療が認められていませんので、健康保険の予算内で行わなくてはならず、IOLの価格アップが病院側の持ち出しになります。病院にとって、使えば使うほど損をするのでは、いくら良い製品でも普及いたしません。

IOLの付加価値分については、その都度、適正な額を患者さんにご負担いただける制度があれば、最も公正と思います。アメリカでは非球面が150ドル、多焦点が1000ドル、乱視矯正が300ドルといった具合に、付加価値分は別途請求できるようになっています(価格は推定)。


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