CRVO

今日も白内障手術が行われます。

最近は気温の変化がはげしいからか、硝子体出血の患者さんが多くお見えになります。原因疾患は糖尿病性網膜症や網膜静脈閉塞症などです。

いずれの病態も、予後を左右するのは網膜血管閉塞の状態です。たとえ手術により硝子体腔がきれいになったとしても、血管閉塞により網膜そのものが変性してしまえば、視力は出ません。

OCTをとるとその間の事情がよくわかります。BRVOで血管の一部が閉塞した患者さんでは、その部分の網膜が薄くなっています。栄養不良により変性した網膜は当然ながら機能も期待できません。

BRVOならば、黄斑部の半分が助かっているので、経過のうちに視力が戻ることがあります。しかし、乳頭における静脈血管閉塞=CRVOは未だによい治療法がありません。

エビデンスとしてほぼ確立していることは、汎網膜光凝固(PRPC)による再出血および血管新生緑内障の防止効果です。

しかしこれとて、視力の回復には必ずしも結びつきません。

患者さんおよび御家族の方とよく話し合い、PRPCの必要性をご理解いただくことがとても大切です。

昔も今もCRVOとみたら抗凝固(剤)療法と相場が決まっているのですが、最近は内科から処方された抗凝固(血小板)薬をすでに飲まれている方がほとんどです。それでも発症しているわけですから、抗凝固療法には限界があるということでしょうね。


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