度数ずれの治療

白内障手術でIOLを入れる時、術前に詳しく眼の形を調べ、また、どのくらいの度数を狙うかを検討し、実際に入れるIOLの度数を決定します。IOLの度数はマイナス一桁からプラス30D(ディオプター)ととても範囲が広いのです。

 

単焦点IOLの術後屈折の狙いは、-0.5~-1.0Dくらいの軽度近視にするのが最も一般的で、運転重視ならば0(正視)、読書重視なら-2.5Dにすることもあります。

 

-1Dといえば、目から1メートルにピントが合いますので、足元が霞むことなく安全で、日常生活をメガネなしで過ごすにはちょうど良いのです。もちろん、運転や読書、コンピューターにはそれぞれメガネが必要になってきます。

 

もともと中〜高度な近視の方は-2.5Dと、近視を少し残して読書距離に合わせるのが普通です。近視の方でも希望により、運転のため遠方重視にすることはありで、この場合、「近視を治す」ということになります。

 

しかし、もともと遠視であっても、「遠視を残す」という選択肢はなく、0~-0.5Dを狙います。遠視だと遠くも近くもメガネが必要で、「目が疲れやすい」ことの原因にもなり、残ると困るのです。

 

IOLの度数ずれで治療が必要となるのは、したがって、遠視方向にずれた場合が多いのです。近視方向では多少のずれは問題ありません。

 

では、遠視方向のずれをどう解消するか。方法は3つ。IOLの度数交換(入れ替え手術)、アドオンレンズの追加、そして遠視LASIKです。

 

このうち後2者は比較的安全ですが、完全自費診療です。入れ替え手術は保険が通る場合もありますが、最も合併症が危惧されますし、そもそも不可能なこともあります。

 

最も安全なLASIK、あるいはアドオンレンズを検討するのが無難です。当院では全て対応可能です。

 

逆に、近視方向へのずれも時には治療の対象となります。この場合も、LASIKが最も安全かつ確実な治療です。細かい度数の調整や乱視の矯正など、LASIKが最も優れています。

 

ただし、角膜が正常で、一定の厚みがあるなどの条件があり、それが叶わない場合、アドオンレンズやIOL交換も考慮いたします。

 

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