巣篭もり需要

今年も残すところ1週間を切ってきました。明日で予定手術は終了し、来週の月曜(27日)の午前の診察で外来も終了です。きっちり1週間が正月休みで、1月4日(火)から2022年の診療を開始します。最初の手術は1月5日です。

 

HPに毎年手術などの実績を公表しています。コロナ前はほぼ年間2000件の手術でしたが、昨年の4月以降コロナによる受診抑制と待機手術の延期の影響で件数は2割近く減っています。今年もだらだらと緊急事態宣言が繰り返された影響で同じような件数です。

 

そんな中、コロナ禍ならではの特徴も見受けられました。その1)はレーシックが増えたこと。今年1年のレーシックの数は100件を大きく超えました。100件超えは2013年以来8年ぶりのことです。

 

コロナで学校や仕事をお休みしやすくなった機会に受けたかった手術を、との需要が高まったものと思われます。いわゆる巣篭もり需要の一つです。眼瞼手術も同じような傾向があります。

 

2)は多焦点IOLが大きく減ったこと。昨年は300件超でしたが、今年は半分くらいに減っています。これはもちろん、昨年の4月から制度が変わり、先進医療から選定療養になったことが影響しています。実質的に負担金が増えたからです。

 

3)は緑内障手術が増えて100件を超えたこと。これは開院以来初めてのことです。緑内障は待機的ではないことと、iStent(アイステント)が増えたこと、さらに濾過手術を積極的に行ったことが理由と思われます。白内障手術が減って時間的余裕ができたので濾過手術に取り組むことができました。

 

当ブログで何度か書いていますが、その後もますますiStentの良さを認識するようになり、当院で白内障手術を希望された患者さんが緑内障と診断された場合に、iStentとの併用を積極的にお勧めしています。iStentの登場で、そのほかのMIGS(隅角アプローチのロトミー系手術)は単独の場合を除いて全く行わなくなりました。

 

4)は硝子体手術、網膜剥離などはコロナ前と変わりなかったこと。放っておくと失明するのが自明な疾患は、当然ながらコロナとは関係なかったです。

 

ということで、コロナ禍の中(だからこそ?)レーシック、多焦点、硝子体手術、緑内障手術の4分野で100件超えということになりました。単焦点IOLによる白内障手術(PEA、ECCE、強膜内固定)は昨年より微増で1000件をちょっと超えたところです。来年もこの調子で今度はV字回復を目指したいと思います。

 

ST