パンオプティックス

3焦点眼内レンズ、AcrySof IQ PanOptix(日本アルコン)が3焦点レンズとして初めて、国内で認可、承認されました。これにより、先進医療保険を使っての手術が可能となります。

 

パンオプティックス(POX)は、従来の3焦点レンズとは異なり、眼前40cm、60cm、無限大にピントの位置があります。従来のレンズは中間距離が80cmでした。もっとも使う読書、PCを重視したそうです。

 

この距離を実現するため、レンズの設計としては事実上4焦点にしているようです。88%の光を網膜に到達させるため、コントラスト感度の低下が少ないそうです。また、ハロ、グレアも比較的少ないとメーカーは主張しています。

 

アメリカでも同時に認可(FDA)されたようで、海の向こうからも、このレンズの評判が聞こえてきます。患者満足度は高いとされています。実際に使われた患者さんのうち99%が知人にも勧めると言ったそうです。

 

当院で今まで3焦点をあまりお勧めしていなかったのは、個人輸入ということのほかに、従来の3焦点レンズの素材が親水アクリルということもありました。しかし、POXは疎水アクリルであり、素材にも問題が少ないです。Blue Light Blocking (着色)です。

 

乱視矯正の入ったトーリックレンズが用意されているのも強みです。もともと、IQのレンズデザインは、術後の軸回転が少ないなど、トーリックには実績があります。

 

当院では、来週から順次使用する予定にしています。テクニスマルチ(2焦点、透明、トーリックなし)、テクニスシンフォニー(焦点深度拡張型、着色、トーリックあり)との使い分けをどうするかが今後の検討課題です。

 

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